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甘いイワシに釣られた男の決断~還暦前アングラー、バレンタイン翌朝に海へ~

令和8年のバレンタインデーだ。

営業の仕事をしていた若いころは、義理チョコのお返しが一大イベントだった。
スーパーを歩き回り、
「数は大丈夫か…?」「いや、もう少し高級感が必要か…?」
などと悩んでいたのが、まるで昨日のことのようだ。

しかし、還暦を目前にした今、
バレンタインにチョコがもらえるのは家族だけになった。

家族からもらえるだけでもましな方だな
口のこえた家族へのお返しをどうするか悩むくらいが、
今の自分には丁度いい幸せに感じる。

そんな今年のバレンタイン。
奥様からいただいたのは!!

「LURE FISHING」と押し出し加工された「ルアーチョコ缶」
ペンケースのようなものだった。

……これは嬉しい!!完全に釣り人専用ではないか。

ありがたく開封してみると、
工具箱のような作りになっていて、
中から現れたのは――

サーフフィッシングの神様!!イワシ様だ!!

もちろん本物ではない。
イワシ型のチョコレートだ。

これがまた、見た目のインパクトとは裏腹に、
なかなかうまい。

程よい甘さ、そして釣り人の心を完全に理解したこの造形。

そして食べ終わったあとに残ったケース。
これは大事に使わねば😅

釣り具入れとして使える構造になっているようだが、
正直なところ収納力はそれほどでもない。

「さて、何を入れるか…」

試しに、サーフフィッシングの必需品である

フックやスプリットリング
ショックリーダーを一番下の段に2個入れてみた。

――カチッ。

いい感じで、完璧に収まった。

ついさっきまでイワシ型チョコが入っていたのだ。
ケースの中には、まだほんのり甘い香りが残っている。

ショックリーダーやフックは
これからチョコレートの香りをたっぷり吸い込むことになるだろう。

これはもしかすると――

魚を寄せるかもしれない。

科学的根拠はゼロ。
しかし、釣り人にとって大事なのは「信じる心」だ。

そう思った瞬間、決断していた。

「明日は、サーフに行こう」

しばらくぶりに急ぎの仕事もない。
気温は低い予報だが、
日の出時刻の6:26頃は晴れそうだ。

冬の澄んだ空気の中で見る朝日は、格別だ。

久しぶりに、あの光を見たい。

そして――
できることなら、魚の姿も見たい。

釣れなくてもいい。
いや、本音を言えば当然!!釣れてほしいが、
海に立つだけでも十分価値がある。

奥様からもらったイワシ型チョコレートは、
甘さだけでなく、
釣りへのモチベーションまで補充してくれた。

還暦を目前にして思う。

義理チョコに追われていた頃よりも、
今の方がずっと豊かだ。
感謝せねば🙇

甘い香りをまとったショックリーダーとともに、
明日の朝、海へ向かう。

魚が釣れたら最高。
釣れなくても、それもまた自分の釣りだ。

ちなみに、こちらの「ルアーチョコ缶」はカルディで売ってるそうです!!

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