「色々したいから酒は控えよう」
そう思っている時に限って、なぜか“ちゃんと飲む理由”が向こうからやってくる。

今回の理由は、春のど真ん中から届いた。
初物のタケノコ。しかも、丁寧にあく抜きまでされた完成品。
これはもう、呑まれなければ失礼というものだ。
ぶつぶつと大ぶりに切って、あえて厚めの刺身にする。
包丁を入れた瞬間にわかる、あの柔らかさ。
口に入れれば、シャクっとした歯ざわりのあとに、ほんのりとした甘みが広がる。
余計なことはしない。
春の味は、シンプルが一番強い。
そしてもう一品。
60おやじが作った!わかめと出汁、味噌だけで仕上げたみそ汁。
これがまたいい。
タケノコの香りがじんわり溶けて、体に染み込む感じ。
派手さはないが、間違いなく“ちゃんとした一杯”だ。
グラスに注いだのは、本格米焼酎「しろ」。
いただきものだ。
そこに強炭酸を合わせる。
シュワっと立ち上がる泡と一緒に、すっと鼻に抜ける香り。
正直に言うと、酒の良し悪しなんて詳しくはわからない。
でも、これははっきりわかる。
「うまい」
それで十分だ。
この焼酎は、ただの酒じゃない。
4月という、出会いと別れが交差する季節の中で、
お世話になった方が退社の際に手渡してくれたものだ。
だからこそ、この一杯には理由がある。
「お世話になりました飲んでください」と渡された
その言葉に対する、ちゃんとした返事みたいなものだ。
そして5月。
再会の約束がある。
そのときには、今日の話をしようと思う。
タケノコがうまかったこと。
焼酎が予想以上にうまかったこと。
ちゃんと味わって飲んだこと。
そしてもうひとつ。
「今度は自分がお返しする番です」
遠慮なく受け取ってきたからこそ、
次は遠慮なく返したい。
酒って不思議で、ただ酔うためのものじゃない。
こうやって、人と人をゆるくつなぎ直してくれる。
だから今日くらいはいいだろう。
控えるはずだった酒を、ちゃんと理由をつけて飲む夜も。
春は、そういう言い訳が一番似合う季節に違いない!
結果!だらだらと過ごしてしまった夜でした😂