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昔は「農業なんて絶対やらない」と思っていた60歳:おにぎり&ジンギスカンで満たされた話

令和8年5月10日。
田植えのため実家に帰ってきた。

還暦を過ぎた今でも、両親と一緒に田植えができることに幸せを感じる。
若い頃の自分に言ったら、たぶん信じないと思う。

なにしろ昭和の時代「家の跡取り」「農業後継者」として育てられた。
高校まで出してもらったが、当時の自分はそんな未来が嫌でたまらなかった。

「農業なんて絶対やらない」

そう思って就職し、家を出た。
土まみれになる生活より、自由な暮らしに憧れていた。

なのに60歳になった今、
なぜか田植えをしている時間の方が満たされている。
人生とは本当にわからない。

年に1度しか働かさない「年季の入った田植え機」

田植えの日の最初の敵はそう、田植え機だ。

年に1度しか動かさない機械が、素直に目覚めるわけがない。

「今年こそ一発始動で頼むぞ!」

そんな願いを込めるも、当然のように四苦八苦💦
マニュアルをダウンロードして確認💦

なんとか復活したと思ったら、今度は作業中に不調でストップ。
汚れを取り除いてしばらく空回ししたら奇跡的に回復!

無事に田植え完了。

最新AIだの自動運転だの言われる時代に、
60歳のおじさんが田んぼで古い田植え機と格闘している。

でも、なぜかそれが面白い。

泥だらけの手で食べるおにぎりは、なぜ世界一うまいのか

今日の田んぼグルメ

・おにぎり
・たまご焼き
・ソーセージ
・漬物

泥だらけの手で食べるおにぎりが異常にうまい。

「外で食べると美味いよね」なんてレベルではない。

たぶん、人間は本来こういう時間で満たされる生き物なんじゃないかと思う。

便利さとか効率とか、もちろん大事。
でも、土の匂いとか、風の音とか、家族と同じ作業をする時間とか。

そういうものが、気づかないうちに心を回復させているのかもしれない。

晩飯ジンギスカンで考えた「豊かさ」の正体

田植えを終えた夜は、ご褒美のジンギスカン。

汗をかいた後ひとっ風呂浴びてのビールが、そりゃもう最高。
たぶん今日のビール、人生ランキングかなり上位。

決して余裕のある暮らしをしているわけではない。
物価は高いし、将来の不安もある。

それなのに、なぜ今日こんなに満たされているのだろう。

考えてみれば、我が家に少しばかりの田畑があるのも、祖父が苦労して買い求めたかららしい。
家業を継げなかった祖父が、土地を持ち、守り、次の世代へ残した。

そして父母が守ってきた。

自分の代で、この農業も終わる。
後継者がいるわけない。

できる限り続けたいと思っている。

効率だけ考えたら、とっくにやめた方がいいのかもしれない。
それでも続けたいのは、米を作っているというより、
「生きた記憶」を残したいからなのかもしれない。

こんな時代に、こんなふうに泥だらけになって暮らしていた祖先がいた。

家族で笑いながら田植えをして、
おにぎりを食べて、
夜はジンギスカンとビールで一日を締めくくっていた。

そんな記憶だけでも未来に残せたらいいな〜なんて思いながら飲むビールは、やっぱり最高なのでした。

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