60歳、認知症の父から受け継ぐ“謎技法” 田んぼ鏡面仕上げ免許皆伝の日

令和8年、今年も稲作シーズンが始まった。
GW明けに有給をいただき、福島市の実家へ戻る。

第一弾は「代掻き(しろかき)」だ。

今年は驚くほどの晴天。
というか暑すぎる。
5月とは思えない29℃。

気温は高いが田んぼに吹く風は冷たく気持ちいい👍️ 
この時期独特の、水の匂いと泥の感触にオタマジャクシがたまらん。

そして今年も、認知症を患った父親がやる気を見せてくれた。

「今年もやる!」と言った父

以前ほど段取り良くとはいかないが

今日は、珍しく早起きしていた。
同じ話を繰り返すこともあるし、ちょっと危なっかしい場面も増えた。

それでも父は田んぼを見るとスイッチが入る。

「オレがやる」

そう言ってトラクターに乗り込んだ。

田んぼまでは自分がトラクターを運転。
まずは、父親に任せた。

去年より下手になった気がするが。
でも、一反の田んぼを最後まで一人で仕上げた。

その姿を見ていたら、なんだか胸にくるものがあった。

認知症になっても、長年身体に叩き込まれた技術は残る。
農家として生きてきた時間の重みを感じた瞬間だった。

我が家だけの“謎農技”

そして今年、自分はついに奥義を継承することになる。

それが――

「角材引っ張り鏡面仕上げ工法」

である。

代掻きの最終工程。
普通の農家さんなら「ハロー」という専用アタッチメントを使って田面を綺麗に均すらしい。

しかし我が家は違う。

トラクターのロータリーに
角材をロープでくくりつけて引っ張る。

多分、道行く人は何だあれ?と思ってるに違いない😄

正直、自分も思っていた。

「なんか恥ずかしいし…」
「ハロー買ったほうがいいべ?」

と。

だが60歳になった今、考えが変わった。

ダサい。でも唯一無二。

効率とか見た目だけなら、最新機械には敵わない。

でも、父が考えて、父が続けてきたやり方には
“その家だけの文化”
みたいなものがある。

全国探しても、

「角材を引っ張って田んぼを鏡面仕上げしている農家」

は、そうそういない気がする。

だったら残したい。

むしろ継承して昇華させたい。

そう思えるようになった。

免許皆伝?

今日は父からしっかり指導を受けながら実践。

泥の抵抗、角材の重さ
急な方向転換や障害物でロープはすぐ切れる💦

そして完成した田んぼ。

水面が空を映し、風が止まると本当に鏡みたいになる。

「おお、できたじゃねぇか」

父が少し誇らしそうに笑った。

その瞬間――

免許皆伝!!

勝手に心の中でそう認定した。

作業後の黒ラベルは世界を救う

炎天下の代掻き作業を終え、汗と泥まみれで帰宅。

風呂へ直行。

そして湯上がりの黒ラベル。

これがもう、異常にうまい。

高級料理もいいが、
田んぼ仕事の後のビールには勝てないと思う。

3日後には田植え本番が待っている。

若い頃は、嫌だった農業が幸せに感じる60歳なのでした😄

投稿者 norichanneru

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