令和8年7月12日。
先週に続き、福島市の田舎へ帰ってきた。
先週は畑の草刈り。そして今週は、田んぼの畔(あぜ)の草刈りが任務だ。
農業をしている人には当たり前のことかもしれないが、田んぼは今、とても重要な時期を迎えている。
7月には一度、田んぼの水を抜く「中干し」が行われる。
その後、7月末頃には稲穂が顔を出し、8月になると再び水を張って、お米を実らせるための大切な管理が始まる。
そんな話を母から教わりながら草刈りをしていると、「なるほど」と思うことがあった。
それは草刈りのタイミングだ。

稲穂が出る前に畔の草を刈ることで、カメムシの繁殖場所や隠れ場所を減らし、水田への飛来を大きく抑えることができるそうだ。
逆に、稲穂が出る直前や出穂後に草を刈ると、驚いたカメムシが稲へ移動してしまうこともあるらしい。
つまり、今週の草刈りは「暑いから今やる」のではなく、「今しかできない理由」があったのだ。
そんな大事な作業なのだから、今年は装備も新調してみた。

今までは父の長靴を借りていたが、いつまでも借りっぱなしでは申し訳ない。
そこで購入したのが、ワークマンの**「WORKE ROCKIE」**。
お値段は2,500円。
普段はいわき市のワークマンに行くことが多いが、今回は福島市で”農業専用”として購入した。
これが予想を超えて大正解。
長靴を履いた瞬間、ゲームで新しい防具を装備したような気分になる。
ドラクエで言えば、
「やる気が5上がった。」
「疲れにくさが10上がった。」
そんな感じだ(笑)。

もちろん性能だけではない。
「自分専用の道具」があるだけで、作業への気持ちが変わる。
不思議なものだ。
草刈りにもだいぶ慣れ、以前より楽しく感じられるようになってきた。
そして何より、今日も父と母、親子3人で汗を流しながら作業ができたことが一番うれしかった。
今年は少し予定が遅れてしまったが、田植えが終わったら一泊で温泉旅行に行こうと約束もした。
60歳になってから、自分でも驚くほど休日の過ごし方が変わった。
以前なら休みといえば真っ先に釣りだった。
もちろん今でも釣りは大好きだ。
でも、その回数は少し減り、その分、農作業や、親と過ごす時間が増えた。
若い頃は親が年取ってからのことなど考えてもなかった。
しかし、自分が60歳になってみると、一緒に過ごせる時間には限りがあることを自然と考えるようになった。
だから今は、この時間が何より貴重に感じる。
汗だくになりながら草を刈る休日も悪くない。
秋になって黄金色の稲穂が風に揺れ、美味しい新米を食べる頃には、今日の草刈りもきっと良い思い出になっているだろう。
釣りも楽しい。
でも、親と一緒に笑いながら汗を流せる時間は、もっと価値があるのかもしれない。
そんなことを思った、60歳の夏でした。
